白光真宏会-北陸

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「宇宙の責任者はあなたです」斎藤秀雄

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   あなたの責任ではありません

 私はいつの頃か、又誰から聞いた話だったか、忘れてしまったが

「宗教は、神の前で懺悔をすることから始まるものだ」

と聞かされた記憶があった。

 そこで五井先生のお暇な時、是非聞いて頂こうと思っていた。

或る日、来訪者も一区切りして、誰もいなかったので、個人指導のお部屋を覗いて

 “先生よろしいでしょうか”

と、お伺いした

 “ああ、斎藤さんか、さあ、どうぞ”

 “先生、宗教に入ったら先ず懺悔をすることから始るものだと聞いていましたが、私は随分色々な人生を渡り歩いてきた男です。青年時代は社会主義運動のグループに入り、人類救済はこれ以外にないと思い込み命懸けでやっていた時代もありました。

 けれど、共産党の大検挙の時、取調中に肺結核から腸結核になり、もう危ういとといわれ、不起訴で仮釈放となったのです。

 それから、社会主義運動は一応断念して、長いこと忘れていた親孝行と平行できる商売の道に入り、色々やりましたが失敗に失敗を重ね、内地を食いつめて遂に満州に渡りました。

 そして、菓子屋の配達小僧を振出しに、興信所、運送店その他を経て、どうにか三年目には、小さな運送店を開店したのです。それを契機として貿易商、電気工具メーカー、土木業その他五つの会社を経営するようになりましたが、戦争―敗戦―敵地より引揚となり混乱の内地へ帰って来たのです。

 当時、まだ幼い子供五人と妻を養わねばならぬ責任があり、戦後の混乱の中でまともな職にも有りつけず、闇商人の仲間に入り経済警察の厳しい取締りを潜って、あぶない橋を渡りながら生活費を稼ぎました。

 その内、友人の経営している金融会社に入り、金々々の金融マンになって金集めに奔走したものです。親類や友人の後援もあって、三億円近い金を集め、その会社の副社長に就任したのです。それからというものは、お客さんの接待役となり、料理屋、キャバレーなどへ出入りし、紅灯の巷をお客様の接待をいいことにして遊び廻ったものです。こんなことは厳密にいえば背任横領になると思います。“

 私の言葉を遮って、五井先生が

 “斎藤さん、そんなことをくよくよ思う必要はありません。それは皆んな、あなたの御先祖の責任である業をあなたが替わりに消してきたものです。あなたの責任ではありませんよ”

 悪いことをしたもにだと思っていたが、宗教的に見れば、それは私の責任ではなかったのだと思い返して気が楽になった。

 あとで知ったことであるが、私の積んできた業を、殆んど五井先生が背負って消して下さったのだということが分かって五井先生に申し訳なかったと慚愧にたえなかった。

 五井先生の所へきたら、懺悔などもういらないのであった。先生にお会いした時、先生は私の前生の又その前の前生までも凡てお見透しでいらっしゃるのだ。只知っているぞと言われれば、こちらの心が痛むので知らぬふりをなさっていらっしゃるのです。

 “私に会ったら、もう、大丈夫ですよ”

 と、常々皆に、おっしゃっている意味が、それから、三、四年して理解ができるようになった。

   凡て、あなたの責任です

 それから、数年が過ぎた或る日、私は昱修庵に行き、先生にお昼をご馳走になり、二階で雑談をしていた時、先生が

 “斎藤さん、この新聞の写真をよく見てご覧なさい。ここにベトナムの戦災孤児の収容所の写真が出ていますよ。骸骨のように痩せて、お腹だけが膨らんでいる子供たちの哀れな姿が沢山のっていますね。斎藤さん、このベトナムの惨憺たる姿は凡て、あなたの責任ですよね”

 私は、先生の意外なお言葉にびっくりして“先生、私はベトナムに武器を売込んだことも、全くありません”

 “斎藤さん、ほら、この三面記事をご覧なさい。宝塚の資産家中川家遺産あらそいで、弟が兄を殺して、自首したという記事が出ていますね。これも、あなたの責任ですよね”

 “先生、私は中川家とは何の関係もありません”

 “斎藤さん、世界平和の祈りとは、凡ての世界を創造された大宇宙神のみ心から発しているものである。と、いうことは御存じですね”

 “ハイ、そのように先生から教えて頂いております”

“世界平和の祈りは、あなたが祈る時は、肉体のあなたが祈るのでなく、守護神さん、守護霊さんが祈っているのです。ということも御存じですね”

 “ハイ、そのように。思っております”

 “私のお弟子達の守護神さん守護霊さんは誰でも、皆んなこの世に生まれてくる前から霊界にある”救世の大光明霊団“という、地球世界を救済する目的のもとに結成された大霊団に参加しているのです。そうした関係があり”救世の大光明霊団“の中心者である私の所へ守護神、守護霊さんにつれられてきて私のお弟子になったのです。この救世の大霊団は、神界にいらっしゃる大宇宙神のみ心を地球世界に実現するために結成されたものです。

 ですから、世界平和の祈りを祈るということは、その元の宇宙神の心の中心(大生命)へ帰ることです。そして、大宇宙を創造された責任者の心になって、宇宙全体を、その立場から見直すことになります。その責任者の心になって再び地球に帰えり、地球を見直し、日本人なれば日本に帰りその町々を、自分の家庭を、地球の責任者として見直すのが世界平和の祈りの真髄ですよ。ですから地球上に宇宙中に起きた凡ての事柄は、あなたの責任だという自覚が世界平和への道です“

 “先生、ありがとうございました。先生の教えて下さっている世界平和の祈りのスケールの大きさを初めて解らせて頂きました”(白光・昭和57年1月号より)

◎2019年11月10日富山練成会の資料からお許しを頂き掲載させて頂きました。(I)

 

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