白光真宏会-北陸

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ええところ (じぶんの よい ところ)

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 わたしって、ちからは よわいし、こえは ちいさいし、

はしるのも おそい。「ええところ」なんか

一つも ないって おもうねん。

 がっこうの かえりみち、

「わたしって ええところ 一つも ないなあ。」

って ともちゃんに いうたら、

「そんな こと ないよ。」

って、いうて くれた。けど、

「そんなら、わたしの ええところ おしえて。」

って いうたら、

「ええっと なあ、ううん・・・・。

 あしたまでに かんがえるわ。」

って いいながら、かえって いって しもた。

 つぎの ひの あさや。

「あったよ。あいちゃんの ええところ。」

そう いうと、ともちゃんは

わたしの てを にぎった。

「あいちゃんの て、すごく あったかい。

クラスでいちばんや。」

「てが あったかいのが、わたしの ええところ。」

「そうや。」

クラスの みんなが あつまって きて、わたしの てを にぎった。

(「てが あったかい」って、わたしの ええところなんや。)

わたしは、うれしく なった。

 その ひ、ぞうきんの あと、みずが つめたかったので、

ぞうきんがかりの こは みんな わたしの ところへ きた。

わたしは みんなの てが あったかく なるように、ひとりひとりつめたい てを、

りょうてで ぎゅっと にぎって あげた。

 さいごに ともちゃんが きた。わたしは ともちゃんの てを

「どう、あったかい。」

 わたしが きいたら、ともちゃんは、こまったような かおで いうた。

「ううん、あったかく ない。と いうか、つめたいねん。」

(どない しよう。あっというまに わたしの

ええところが なくなって しもた。)

わたしは、そっと ともちゃんの てを はなした。

うつむいたら、なみだが ぽたぽたと ゆかに おちた。

 そしたら、ともちゃんは、わたしの

てを ぎゅっと にぎって いうた。

「でも、じぶんの てが こんなに

つめたく なるのに、みんなの てを いっしょうけんめい

あたためて くれたやろ。みんなに やさしいのが、

あいちゃんの いちばん ええとこらや。」

 

 わたし きめたんや。わたしも ともちゃんみたいに、

ほかの この ええところを みつけて あげるねん。

いっぱい みつけて、いっぱい いうて あげるねん。

 

◎「小学校二年の道徳の教科書」から、神奈川県の内村真喜子様から提供して頂きました。
 内村様の大阪支部道場での講話会を聴かせて頂き、感動し「人の良い所を見つけて、その方にお伝え出来る自分をイメージして。」掲載のお願いをしました。(I)

「内村様の大阪支部道場での講話」

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