全託 上杉ちゑ子 : 1985年 夏
全託 上杉ちゑ子 : 1985年 夏
奥の奥は天だった
素晴らしいひびきだけの世界
ひとつはすべてであった
大きいことと小さいことは同じこと
右と左も 上と下も 長いも短いも
あるということとないということも
みなおなじこと
ひとつのこと
自由自在
すべてがそこになく
しかし すべてがそこにある
無限光のひびきの世界
その世界は
相対的世界を超え
時間も空間も超えた本源の世界
すべてを生みなしている懐かしい世界
どこかから「絶対界」と響いてきた
大調和し完全で 自由自在
「指一本でも外に出たら即座にとけるだろうな」
光に包まれながら
そのひびきの厳しさを感じていた
すべてを消して消して消し去った後に残ったひびき
その世界のひびきは
ことばに表せば質が変わる
輝く星を手にすると
ただの石ころに変わるように
ことばは相対界のものだった
そこでは重ね合わされたように
一分のくるいもなく
一瞬にしてすべてが伝えられる
まるで 吸い取り紙のよう
老子のことばは
その世界のひびきを宿していた
ことばでありながら
そのひびきを含んでいた
そして
世界平和の祈りは
本源の世界のひびきそのものだった
光に包まれまれてこそ昇れる世界
全託によってこそ行きつく世界
この身このまま すっかりお預けして
祈り一念 光明一元
ありがたく ありがたく
生かされるままに生きよう
◎:世界平和の祈り